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SANAX-6 開発ストーリー

第1話

小さくつくるという事

熱変異に強い小型機械SANAX-6の開発ヒストリー

主軸台

旋盤で一番の発熱源は主軸と主軸モーターであり、この熱が主軸からベッドその他に伝達することでさまざまな機械的変形をもたらし、加工ワーク寸法への悪影響をもたらしている。
小型化に対して一番の問題は、加工部と熱源が隣接してしまうということであり、その熱変位が加工ワークに転写されてしまうことにある。この機械的な負の特性から脱却する為、主軸とベッドの間にグラナイト(花崗岩)ベースを採用した。グラナイトは、測定機の定盤に採用されるなど、熱伝導率が鋳鉄に比べ1/20という優れた特徴を有している。また、振動減衰性にすぐれ、主軸から発する振動を抑える効果も期待できる。
また、微細加工になればなるほど、主軸回転数を上げて周速を稼がなくてはならない。高速回転に耐えられる高精度な主軸台が必要不可欠である。主軸回転数12,000min-1に対応した高精度主軸台を採用している。

3軸制御刃物台

X軸のストロークを小さくすれば奥行きの小さい機械が出来るが、搭載する旋削用工具に加え、回転工具の搭載も考慮すると、従来の2軸制御ではX軸ストロークを大きくせざるを得ない。この工具交換をY軸(鉛直方向の軸)に置き換え、刃物を縦方向に配置した構成を採用することでX軸の移動量を最小とした機械の奥行きを抑えた設計が可能となった。
3軸制御刃物台を採用することにより、移動軸が3軸となり、回転工具取り付けによる複合加工の可能性が大きく広がった。従来の複合加工機のように、旋削機能重視で付加価値として、多少の回転工具が取り付くという方式ではないため、フライス加工を重視した旋削加工が可能となった。正面、側面からの3軸加工でマシニングセンタ並みのフライス加工を実現した。
この軸構成は、加工精度の向上、サイクルタイムアップにも有利に働いている。
まず、X軸の移動量が小さくできた事で、クシ刃形刃物台の悩みであったX軸の移動速度イコール工具交換速度の図式を返上して、X軸は直径方向の位置決めのみに専念することとなり、移動時のボールネジ発熱の抑制、すなわちボールネジの温度変化による伸びを抑制することとなって、スケールフィードバック無しでも卓越した寸法安定性(コールドスタート性能)を獲得した。なお、工具交換を主に担当するY軸は交換の時の最小移動量が30mm(隣接するバイトの縦方向距離)であり、これも移動によるボールネジの発熱を心配するレベルではない。
また、従来のドラム式ターレットに比べ、スライドを大きく非干渉領域まで後退する必要がない為、最小のエアーカット時間を実現している。

3軸制御刃物台

テールストック

従来櫛刃タイプのCNC旋盤にはテールストックの取付けが出来なかったが、刃物台を3軸構成とすることで、ツールを縦方向に配置してスペースを確保し、十分な工具数(最大5本)を確保しながらテールストックの取付けが可能となった。これにより、テールストック付CNC旋盤として大きく小型化することに成功している。
テールストック加工は、同軸度、真円度、フレの向上をはかることができる。だが、一般的にはドラム式ターレットの旋盤に組み込まれることが多く、テールストックを取り付けると、設備本体が大きくなりやすい。SANAX?6では、刃物交換をY軸が担当している為、省スペースのままで心押し台の取り付けが可能となった。心押し付CNC旋盤としては世界最小スペースを実現している。

テールストック付CNC旋盤

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